藤原行成の権記。
いずれも来年の大河ドラマ「光る君へ」の時代の様子を現在に伝える貴重な資料である。
平安貴族の日常、特に政務に視点を置いた平安貴族の日々をみなさんはどのように捉えるであろうか?
そこで思い浮かべるのは平安朝の雅やかな暮らしであり、和歌を呼び、宴を催し、恋愛に時間を費やす、そんな世界であろう。
だが、前述の日記にあるのは当時の貴族のリアルである。徐々に武士が台頭し、国際問題も複雑になっていく時代にあって、国内の安定と豊かさを維持するためにいかに国の舵を取り、国のため、国民のために周到に立ち回り、腐心しながら朝廷を支えていたかが読み取れる。
そこにある平安貴族の日常生活や思考、感情は、我々が思い浮かべるような雅やかなものではなく、より現実的な毎日である。この時代に1日が24時間という概念も、1年が365日という概念も無いが、それでも現在風の捉え方をするならば、24時間365日が貴族の拘束時間であり、そこに休みは、無い。あるのは忙中の閑だけである。
なお、前述の日記のうち御堂関白記は藤原道長の直筆が現存するという希有な史料であり、筆者は別途書籍を刊行している。
そちらの記事については下記を参照。