2024-01-01から1年間の記事一覧
今から12年前にTwitter(現X)でこんなのを作った。 Twitter上では #ブラック企業カルタ というハッシュタグを付けて大喜利的に書き込んでいたが、これらは全て本書にある実話である。 「あ」明るくなってきてからやっと帰れる 「い」命に関わる日々 「う」…
まずは以下の表を見ていただきたい。 順位 クラブ名 資産価値 所属 (USD) (JPY) 1 Dallas Cowboys 90.00億 1兆3500億 NFL 2 New York Yankees 71.00億 1兆0650億 MLB 3 Golden State Warriors 70.00億 1兆0500億 NBA 3 New England Patriots 70.00億 1兆0500…
アメリカという国家は奇妙な国家である。 少なくとも現時点で地球上最強の国家であり、アメリカの影響を受けないでいられる生活を過ごすことのできている人など一人もいない。それこそ、反米を国家の大義として掲げ、アメリカに敵対することを是とする社会に…
最近の若者は…… このありふれたフレーズは古代エジプトには既に登場している。多くは、年長者の若い頃と比べて現在の若者は劣っていることを年長者が揶揄するフレーズであり、このフレーズを口にすることで自らが優れていることを自賛するために用いられる。…
源氏物語は現在でこそ古典であるが、今から1000年前は時代の最先端を取り入れた小説であり、読者にとっても源氏物語に描かれている世界は身近な世界であった。源氏物語のリアルタイムの読者にとっては身近な出来事が作品の中で展開されており、紫式部が詳し…
日本は国家を作り出したときに中国大陸の国家様式を模倣した。それこそが国家であり正解であると考えたからである。 その前提が崩れた。 必ずしも中国大陸の国家様式が正解であるとは限らず、現実に即した社会を構築してもいいのだと気づかされ、さらには中…
文字史料が誕生する前から日本列島には人間が住み、日々の生活を過ごしていた。夏は暑く、冬は寒く、梅雨の時期には雨が頻繁に降る世界が続いていた、はずである。 紀元前4000年頃に中国大陸から稲作が伝わってからは定住が珍しくなくなり、それまでのように…
令和6(2024)年3月8日金曜日、衝撃的なニュースが駆け巡った。 鳥山明氏死去。 このニュースの衝撃は日本国内に留まらず、国境を越えて世界中に響き渡り、鳥山先生の作品を愛する世界中のファンから、鳥山先生の死を惜しむ声が、そして、鳥山先生への追悼の声…
遣唐使が当たり前であった頃、日本の社会は唐からの移植であった。唐の政治制度、唐の律令、唐の文化こそが正解で、唐の社会を日本にも構築することこそ正解と見做されていた。 その唐が無くなった。無くなっただけでなく、その後の五代十国の混乱は日本が手…
昭和20(1945)年8月15日から同年12月31日までを扱う一冊である。 玉音放送の後、主な大都市は焦土と化した日本にあって、大都市が焦土と化していた時期に、映画、演劇、音楽、出版、スポーツなどの文化の担い手たちがどのように再起し、娯楽産業を復興させて…
ジョージ・オーウェルが「1984年」で描いた世界は、ニュースピークと題して言語体系を新たなものに置き換えようとしている過程の世界である。それも執政者にとって都合良く改変しつつある世界である。 たとえば、「1984年」の世界では good はあっても bad …
一言で言うと、残酷な本だ。 何が残酷か。 まさに自分が体験してきたことが、同時代の経済や経営を語るのではなく、歴史なのだという現実を突きつけられる残酷さだ。 自分の体験してきたことが歴史になっていることのショックはともかく、まさに体験してきた…
昭和20(1945)年8月15日をどのように迎えたか。あの時代を体験した人の多くはその瞬間を、そして、それからの苦労を饒舌に語る。それだけ鮮明な記憶となって脳裏に刻まれている。それからの日本がどのような歩みを見せたかもまた、多くの人が饒舌に語る。苦し…
石はどこにでも存在する。人類が土器を生み出す前に加工してきたのは、まずは石である。ゆえに、日本の歴史を辿ると最初は石器に行き着く。 それでいて、日本の歴史に石はそこまでの重要性を持っていない。全くの不必要な存在であったというわけでも、現在は…
ときおり考えることがある。学生運動や国電の遵法闘争などが猛威を振るっていた時代にSNSがあったらどれだけ荒れたのだろうかと。 SNSが当たり前になった時代になって痛感するのが、そもそもSNSを通じて民意が広く伝わる現在だからこそ、かつてであれば存在…
現在放送中の大河ドラマ「光る君へ」で有職故実にも着目が集まるようになったが、有職故実は何も平安時代だけの話ではない。何なら現在も必要とされる知識である。 平安時代最盛期の文化、習俗、貴族社会の生活を詳細に記録し、時間を越えても再現する。こう…
中世と近代とを分けるのは何か? 様々な指標があるが、生活基盤が自給自足を前提としているか、自給自足を放棄しているかも一つの指標である。 日本史でも西洋史でも中世世界を思い浮かべていただきたいが、中世世界はそこまで交流が盛んではない。交流が無…
民主主義は古代ギリシャで誕生した、特に古代ギリシャの都市国家アテナイで誕生した、というのが一般認識になっている。 その一般認識に真正面から向かっているのが本書である。民主主義の非西洋的起源に目を向け、多くの国や地域で参加型・包括型の統治形態…
大喜利。それは、お題という制約のある中でどれだけ多くの人の関心を集める回答を示すことができるかを競う知的遊戯である。本書の著者である坊主 @bozu_108 氏はX(旧Twitter)という場所で日に何度か大喜利のお題を投稿し、多くの回答を集めている人である…
現在放送されている大河ドラマ「光る君へ」の登場人物の一人、町田啓太氏演じる 藤原公任(ふじわらのきんとう) は、長徳二(九九六)年から長保三(一〇〇一)年まで六年間に亘って検非違使別当として平安京の治安維持の総責任者の役割を担っていた。そのた…
2007年に邦訳版が刊行された本書は刊行当初も脚光を浴びたが、2020年に筆者がノーベル経済学賞を受賞したことでさらなる脚光を浴びることとなった。かく言う私もノーベル経済学賞を契機として本を購入した一人である。 電波周波数の使用権販売に関する同時競…
関東地方に住む者ならば、大正12(1923)年9月1日の関東大震災を必ず教わる。必ず伝え聞く。必ず語り継ぐ。関東大震災でどのような被害を受けたか、どれだけの命が失われたか、どれだけの混迷を迎えたか必ず知っている。しかし、それらのどれもが、関東大震災…
私はこのようなマンガを作って、Amazon Kindle で無料公開している。 amzn.to 80歳のおじいちゃんあのに高校生にしか見えない外見で、まさに本書のタイトルの真逆をいくキャラクターなのだが、こおおじいちゃんが本書を読む前と読んだ後との対比でこのような…
高校の世界史の教科書はその多くがヨーロッパ史にページを割いている。それに異議を唱える向きは多いが、それでもヨーロッパの歴史を特別視して、ヨーロッパは特別な地域であるとの概念が成立している。 その概念は世界史の教科書に限らず社会科学の多くの書…
本書の書名に嘘偽り無し。 ラテン語とは、言わずと知れた古代ローマの公用語である。厳密に言えば古代ローマはラテン語とギリシャ語の二つを公用語とする国家であったが、一般的な概念としては古代ローマの公用語はラテン語であり、古代ローマ帝国滅亡後もラ…
前作に続き、日本史の出来事を理系的素養の側面から分析して解を示す書籍であり、第2巻でもある本書もまた、日本史上の出来事から三つの出来事を取り上げている。豊臣秀吉の朝鮮出兵、日露戦争の日本海海戦、そして、禁断とも言うべき邪馬台国論争である。 …
鎌倉時代の二度の元寇は、二度とも神風によって日本の勝利に終わったとされている。実際に当時の記録にも暴風雨が吹いたことは記録に残っている。だが、それだけが戦勝の要因なのか? 豊臣秀吉の中国大返しは6月5日に備中高松城を出発し、6月13日に京都近郊…
まずは以下のシチュエーションを考えていただきたい。 あなたは日本に住んでおり、アメリカの企業が販売している商品をその企業のWebサイトから買おうとした。料金が支払われ次第ただちに商品の発送をすること、日本への輸送に時間は掛かるが日米両国の法に…
かつて、テレビは娯楽の王様だった。夜7時には一家揃って一家一台のテレビの前に座り、家族揃って同じ番組を観ていた。本書はその時代のテレビ番組、テレビ番組の制作者、そして、そうしたテレビ番組に出演していたタレント達の足跡を追いかけた一冊であるが…
おみくじを引くと、和歌が記されていることが多い。中には漢詩が記されていることもある。 どうして詩歌が載っているのかと問われれば、その答えは単純で、そっちがおみくじのメインだから。大吉などの部分だけに目を向ける人がいるが、そちらはメインではな…