今から12年前にTwitter(現X)でこんなのを作った。
Twitter上では #ブラック企業カルタ というハッシュタグを付けて大喜利的に書き込んでいたが、これらは全て本書にある実話である。
- 「あ」明るくなってきてからやっと帰れる
- 「い」命に関わる日々
- 「う」上役に殺意を抱く
- 「え」永遠に続く仕事
- 「お」終わらない仕事。
- 「か」仮眠二時間とれて御の字
- 「き」キチ○イになってやっと一人前
- 「く」苦しみ続ける無間地獄
- 「け」血尿が出た程度で休めると思うな
- 「こ」これからの人生に希望なんてない
- 「さ」最低賃金以下の給料
- 「し」死人の一人や二人じゃ驚かない。
- 「す」救いようのない現実
- 「せ」せめて月に1度は休みたい。
- 「そ」底なし沼
- 「た」立ったまま眠れる技術が身につく
- 「つ」つまらぬミスを口実に減給
- 「て」敵は社長室にあり
- 「と」鳥になって逃げ出したい
- 「な」泣こうがわめこうが帰れない
- 「に」人間扱いされてない
- 「ぬ」抜け出せた奴が羨ましい
- 「ね」眠れる時間があると思うな
- 「の」脳味噌の限界はとっくに超えた
- 「は」墓場にもうすぐ行けそうだ
- 「ひ」人としての権利なんて都市伝説
- 「ふ」不眠不休が当たり前
- 「へ」平気なわけがない
- 「ほ」放り投げて逃げ出したい
- 「ま」マジでやばいかも知れない
- 「み」惨めな毎日
- 「む」無茶な要求もそれがノルマ
- 「め」目が死んでる
- 「も」もう限界だ
- 「や」辞めたい辞めたい辞めたい辞めたい
- 「ゆ」夢ならば覚めてくれ
- 「よ」夜中も勤務時間
- 「ら」来世こそはまともな人生を過ごしたい
- 「り」理由がないのに怒鳴られる
- 「る」ルール無視の労働条件
- 「れ」歴然とした格差社会の負け組
- 「ろ」老衰の時期が早まる
- 「わ」我先に逃げ出す
これらを笑って書けるのはかの地獄からどうにか脱げ出すことに成功したからであって、実際に体験していた頃は生き地獄以外の何物でもなかった。
私の投稿は冗談を込めて記した内容であるが、内容は本書に記している内容と大きな違いは無い。そしてそこに笑いはない。あるのは悲劇だけである。
そして2024年現在、残酷な現実が突きつけられている。12年前に記された本書で取り上げられているのは「苦しめられる若者」であった。それから12年、苦しめられた若者は年齢を重ね「苦しめられる中高年」になっている。
状況の改善は見られる。しかし、解決にはまあまだ遠い。