大喜利。それは、お題という制約のある中でどれだけ多くの人の関心を集める回答を示すことができるかを競う知的遊戯である。本書の著者である坊主 @bozu_108 氏はX(旧Twitter)という場所で日に何度か大喜利のお題を投稿し、多くの回答を集めている人である。その回答は多くの人の目に触れ、その中から最優秀賞や金賞、入選などの結果が示される。もっとも、最優秀賞を得たことで何かしらの特典が得られるわけではない。
※ ただし、私は一度だけ図書カードを獲得したことがあるから、どんな結果を残しても特典が得られないとは言い切れない。
それでもなぜ、多くの人が坊主 @bozu_108 氏の大喜利のお題に解答するのか?
承認欲求を満たすためとい言い切ってしまえばそれまでであるが、それが単純解となるわけではない。これは知的遊戯なのだ。
X(旧Twitter)という場所は140文字で何でも書けるSNSであり、また、見知らぬ他者と出会いやすいSNSである。何でも書けると言ってもさすがに違法なことは荒れるし、書いた内容次第では法廷に引きずり出されることとなる。一方で、多くの人の目に触れる書き込みも頻繁に起こり、Xの中で自分の人格を創り上げ、その人格で他者と触れることが頻繁に起こるようになる。いわゆる「ネットの知り合い」を作りやすいのがXというSNSだ。
そのSNSで開催されている大喜利に参加する、すなわち、多くの人の目に接すること必定の環境に身を投じるのは、自らのチャレンジになり、また、トレーニングになる。大喜利、つまり、制約がある条件での予期せぬ回答を示すことは、自らの脳を鍛える遊戯ともなる。
本書は坊主 @bozu_108 氏がX(旧Twitter)で挙げてきた大喜利に対し、いかに優秀な回答が来たかをまとめただけでなく、予期せぬ回答に至るまでの発想のヒントをまとめている一冊である。しかも、その発想に至るまでの思考は、知的遊戯たる大喜利の場面に限らず、日常生活において、ビジネスシーンにおいて、必ず大きな成果と鳴って我が身を包み込むこととなるはずである。