おじいちゃんといっしょの佐藤善次さんは高校生にしか見えない80歳のおじいちゃんである。
2017年にこの作品をリリースした当時、高校生にしか見えないおじいちゃんなどというのは非現実的な笑い話であった。他ならぬ作者本人がそのように扱っていた。
フィクションというのは突拍子もない内容であればあるほど冗句の度合いが高まり、非現実的であるがゆえに作品を面白くさせるものであるが、時折、現実がフィクションを超えてしまうことがある。
私はこの本を読んでしまったことでフィクションが現実に負けた瞬間に立ち会ってしまった。
もっとも佐藤善次さんは特に意識して若く見せようとしているわけではない。それ以前に自分の見た目が若いという自覚がない。意図的に健康的な暮らしをしようとしているわけではなく、ただただ自然に日々を過ごしている。その結果が高校生にしか見えない若い見た目である。
一方、本書は老いてなお健康的に、そして、若く見えるようにするにはどのようにすべきなのかを説いている一冊である。本書の内容は多岐に亘っている。時間の使い方、食事を摂るタイミング、食事の内容、身体の動かしかた、医療機関での検査、ケガを防止する方法、そして、他者との関係といった内容を挙げており、それらを実行させることで、人間は老いを克服できるとしている。
正直言うと、本書の内容がどこまで真実なのかわからない。まさに今のこの瞬間も世界中の研究者が研究を重ねており、本書に記している内容を一変させる研究成果を発表することもあるだろう。それでも、そう遠くない未来、現実がフィクションを超える日が来る。本書を読むと、そう確信するようになる。







