いささめに読書記録をひとしずく

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おじいちゃんといっしょドラッカー講座朱夏の陽炎

黒沢哲哉編著(第1巻),有田シュン編著(第2巻)「よみがえるケイブンシャの大百科」(いそっぷ社)

よみがえるケイブンシャの大百科 よみがえるケイブンシャの大百科[完結編]

昭和40年代から今世紀初頭にかけて、書店の子供向けのエリアには独自の雰囲気を生み出す書籍群があった。一冊一冊が特撮やアニメ、怪獣、プロ野球、アイドル、ラジコン、恐竜といったテーマごとにそのテーマの内容を網羅した書籍であり、プロ野球やアイドルなど年月を経ると変化するテーマについてはほぼ毎年、最新の情報に刷新した新刊を刊行していた。マンガではない個の書籍を愛読していた子は多く、かくいう私も愛読者の一人であった。生まれる前から我が家にあったこの書籍群のうちの数冊を物心ついたときには読んでいたし、小学校の同級生の多くもこの書籍群を愛読していた。

その書籍群を刊行していた出版社の名を勁文社という。もっとも、漢字表記の社名ではピンとこないかも知れない。しかし、社名をカタカナ表記にするとすぐにイメージがつながるはずである。

ケイブンシャというカタカナ表記が。

そして、ケイブンシャという漢字表記から思い浮かべる「ケイブンシャの大百科」という語が。

残念ながら株式会社勁文社は平成14(2002)年に倒産してしまい、ケイブンシャの大百科も書店の店頭から消えてしまうこととなった。当時小学生であった者の家の書架、あるいはその者の記憶の中にしか残されず、運が良ければ古書店に並んでいるのを目にできるかどうかとなる、はずであった。

そのケイブンシャの大百科が復活した。無論、全777冊が刊行されたケイブンシャの大百科の全ての内容、全てのページを復旧させたわけではなく、本文が掲載されたのは一部に留まるが、それでも全2冊に分かれて刊行された本書で全777冊の全ての表紙とその内容の概略を説明しており、本書を手に取るとあの頃の読みまくった記憶が蘇ってくる。

実にありがたい書籍を刊行してくれたと感嘆するしかない。

欲を言えば電子化して欲しい。この一点だけが要望である。