「日本の夜明けぜよ」は著名人の言葉である。ただし、坂本龍馬の言葉ではなく、林家木久扇師匠の言葉である。
「パンがなければお菓子を食べればいいじゃない」という言葉はマリー・アントワネットの言葉ではない。彼女が生まれる前に既に存在していた言葉である。
「ブルータス、お前もか」はユリウス・カエサルの言葉ではなく、シェイクスピアの創作である。
「健全な精神は健全な肉体に宿る」は言葉の途中で止められている。全文を訳すと「財産、高い地位、長寿や美貌などを与えて下さるよう、人は神様に祈りがちだが、その願いがかなったところで、どれもこれもリスタが伴う。せいぜい心身ともに健康でいさせてくれるように祈るくらいでちょうどよい。平穂に暮らすのが一番だよ」となる。
本書はこの手の書籍でよく見られる、歴史上のエピソードの誤りを訂正して実相を記す書籍である。かなり興味深いエピソードが列挙されており読みやすい構成になっているのがありがたい。
なお、かなり辛辣な内容も書いてある。偉人に対する敬意を持つ人であれば、その敬意が失われる瞬間を体験することになるであろう。