いま、多くの人がiPhoneを使っている。iPadを使っている。しかし、思い浮かべていただきたい。そもそも今世紀の初めには存在しなかったのだ。素晴らしい商品が存在するとき、もっと素晴らしい商品を世に送り出す企業は多々ある。だが、存在しないときに素晴らしい商品を世に送り出す企業はそう多くはない。
そう多くは無い企業の一つがアップルだ。
思いつくだけでも、
といった製品が出てくる。
こう書くと「そもそもPCという概念がアップルのものではないか」「マッキントッシュが抜けているだろう」と思うかも知れないが、私が上記の五つを記したのはそれらのことを忘れているからではない。
上記の製品は全て、ある一人のデザインが介在しているのだ。
その人物こそ、“ジョニー・アイブ”こと、本書のタイトルでもあるジョナサン・アイブである。
本書はジョナサン・アイブの人生とアップルとの関わり、そして、アップルがいかにしてこれまでに存在しなかった製品を完全なデザインのもとでリリースしたかを鮮やかに描き出す。
アップルが生みだしたのがこれまでに無い画期的な製品だというだけなら誰もここまでアップルの製品に着目しなかった。誰もが魅了する斬新なデザインを身にまとっていたからこそ、アップルの製品は世界で大きなムーブメントを巻き起こしたのだ。
本書はその流れを追体験させてくれる。



