ローマ帝国は東西に分裂し、東は生き残ったものの西は破壊される。ゲルマン民族に蹂躙され、都市ローマは破壊され、領土は目に見えて縮小し、取り残された土地に住む人たちは生き残るためにゲルマン民族のもとに庇護を求めるたり、地方に留まる軍団が盗賊と化したりするようになった。
郊外で平穏な暮らしをしていた人たちも、もはや国家ローマに頼るのではなく自活することを選ぶようになり、都市に住んでいた人はローマではなくコンスタンティノポリスに移り住むようになった。
476年、最後の西ローマ皇帝が退位したことで西ローマ帝国は滅亡し、東ローマ皇帝がただ一人のローマ皇帝となった。東ローマは西ローマと比べて命運を長引かせることに成功し、ユスティニアヌス帝のときに栄光の頂点を迎えるようになる。
東ローマ皇帝ユスティニアヌスのもと、かつてのローマ帝国を再興すべく地中海世界への遠征が始まり、イタリア半島も東ローマ帝国の手に戻る。だが、東ローマの将兵達が目の当たりにした都市ローマはかつての栄光も見る影もなく、生活を支えていたインフラは壊れるがままに放置され、建造物は採石場にされ、かつて100万人を数えたローマ市は、劫掠後に放置されたままの都市と化してしまっていた。
著者はローマ帝国の滅亡を瞬間に起こったのではなく徐々に起こったのだと述べる。それこそ、当時の人が「まだローマ帝国が続いていると思っていたのか」と思うまでに、衰退は徐々に、そして取り返しのつかない形で進行する。
滅亡は一瞬では無い。だからこそ恐ろしい。
なぜか?
今に生きる我々が現在進行形で体験しているかもしれないからだ。



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