驚愕の一冊である。
今年の大河ドラマが紫式部を主人公とすることもあり、平安時代に対する視線がこれまでになく高まってきている。その需要に応えるように様々な出版社が様々な形で平安時代を解説する書籍を刊行しているが、本書はその中でも白眉である。平安時代を時系列で追いかけるのではなく平安時代の暮らし、社会構造、平安時代に生きる人達の日常と人生をイラストでわかりやすく説明しており、平安時代の解説としては德薙零己の「京子先生の平安時代講座」に次ぐわかりやすさである。
本書はそのタイトルからわかるとおり、様々な事項を事典形式でまとめている書籍であるため、知りたい内容をすぐに知ることができる。光る君へを観たあとで気になった箇所を本書で調べるもよし、本書を読んだあとで光る君へを視聴するもよし。本書を読むことで平安時代の社会構造を理解した上で平安時代を舞台とする作品を深く知ることができるようになるはずである。
そして、これは予想であるが、本書の内容が京子先生の平安時代講座に反映されることになるであろう。
