オランダ、イギリス、アメリカ、そして中国……
過去500年間の地球の覇権を握ってきた国家はどのようにして興隆し、そのようにして衰退したか。その様相は各国で異なるが、大まかな流れはだいたい共通している。そう、本書の著者であるレイ・ダリオ氏は述べている。
本書を大雑把に紹介すると、過去500年間の歴史的視点から現代の世界情勢を解析し、未来への道筋を示す一冊である。著者はその流れに画一性を見いだし、画一性の流れを現代社会に当てはめて今後の流れを分析している。
過去500年間の経済学、歴史学、政治学をまとめ、それぞれの視点から本書において深い洞察を提供している。この洞察は上記の国々だけでなく、その他の国々についても目を向けられており、その中にはここ日本国も含まれる。日本に生まれ日本に生きる我々は、著者から残念な、しかし、誰もが気づいている回答を目にすることとなる。すなわち、衰退途上という回答である。ただし、一つだけ救いがあるとすれば、人類史上唯一というわけではなく、一言で言うと「よくあること」である。
その上で、過去の事例を学ぶことで、現在の状況を理解し、未来の変化に対処するための原則を見つけることが重要である。
本書は、現代の世界情勢を理解し、未来を予測するための洞察に満ちた一冊です。それは、経済、政治、歴史に興味がある読者にとって、必読の一冊と言える。
