著者の早坂隆氏はノンフィクション作家として有名であるが、本書のように世界各地のジョークを集めた新書も刊行しており、本書はそうしたジョーク集の一冊である。
本書は金銭、経済、マネーの面から見た国際関係についてのアネクドートを掲載し、かつ、その解説を記しており、そのどれもが経済のリアルを突きつけている。
本書からいくつか抜粋。
不景気とは、空腹でもズボンのベルトをきつく締めて頑張る時のこと。
不況とは、きつく締めようにもベルトがない時のこと。
大不況とは、ズボンもない時のこと。
(本書 p.93-94)
問い・エコノミストとは?
答え・過去にどうすべきだったかを教えてくれる人。
(本書 p.97)
経済学者とは本当に有能な人々である。
これまでに起きた五度の不況のうち、八度を予測してきたのだから。
(本書 p.101)
モスクワの酒場。一人の男が友人に言った。
「我が国はクリミアを併合した。ウクライナの東南部へも領土を拡大している。しかし、なぜ我々の日々の生活は豊かにならないのだろう?」
友人が答えた。
「クリミアを併合してウクライナと戦争しているからだろう?」
(本書 p.127)
ケチとは、友人にしたくない人たちである。
しかし、先祖にはしたい人たちである。
(本書 p.277)
その他にも多くのアネクドートが本書には詰まっている。ぜひとも手にとっていただきたい。