そして、本書を読んだ私は一つの現実に直面した。自分はカメになれなかったウサギだったのだ。それも、かつてはウサギであった何かでだったと。
同期の誰よりも成績を残した。
同期の誰よりも出世した。
同期の誰よりも責任を背負い、そして、倒れた。
復帰したとき、自分は残骸になっていた。
出世は過去のものとなり、成績は思い出になっていた。
今の私は、そこからの脱却を模索している、過去の栄光に頼るウサギの残骸だ。
ウサギとカメの寓話は多くの人が知るところであろう。そして、レースにおいて勝者となったのがカメであることも知っているはずだ。
本書は現代社会の速度についていけないと感じている人々に対する一種の救済策を提供している一冊である。速さが全てではないというメッセージを強く打ち出しており、その視点は新鮮であり、多くの読者にとって心地よい驚きをもたらすであろう。
そして、ウサギではなくカメを見本とすべきとの答えが浮かび上がるはずである。
著者は、ウサギとカメの寓話を現代のビジネス環境に適用し、成功への道は必ずしも最短最速ではないという考え方を巧みに説明しています。著者のアプローチは独自であり、その視点は非常に魅力的です。彼が提供する具体的なアドバイスやヒントは、読者が自分自身のキャリアパスを見つめ直すための有用なツールとなる。