部下を怒鳴りつける。
有給休暇を認めない。
宴会の余興をさせる。
「結婚はまだか」「子どもはまだか」と訊ねる。
昭和時代はイヤだなと思っていても世の中とはそういうものだと諦めていた。
今はもう、そのような諦めは不要な時代を迎えている。
イヤだなと思っていることを処罰する法的根拠が存在し、訴える正統的手段が存在しているだけでなく、そのようなことを許容しない社会になっている。「昔は良かった」「息苦しい時代だ」と思う人もいるだろうが、昔からダメだったことが今になってダメなことであるというだけであり、これまで見逃されていたことのほうがおかしいのである。これらはコンセンサスが醸成されたにすぎない。
さらに、昭和時代には存在しなかった概念である一般人のネット利用についても、イヤだなと感じることについてはハッキリと法的根拠によって処罰できるようになっている。「これぐらいいいだろう」は通用しない。
面倒くさい時代になったと感じるか、生きやすい時代になったと感じるか、後者にならなければ社会の敗者となる運命を余儀なくされる時代を迎えている。コンセンサスは常にアップデートし続けなければ社会についていけない。