昨日紹介した書籍のマンガ版である。
ドラッカーの解説マンガを書いている私が記すのは手前味噌に過ぎるが、ビジネスをマンガで解説するというのは、なかなかどうして、効率的な方法なのである。文字の羅列であろうと、小説形式にしようと、そして本作のようにマンガにしようと、伝えたいこと、訴えたいことを表現する方法の違いであり、そこに優劣はない。違いがあるだけである。
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とは言え、読者の立場に立っての理解しやすさとなると、漫画の分かりやすさは他の表現方法と比べて一歩リードしていると言える。論述や小説で表現するよりも自分の主張や思考を相手にダイレクトに伝えやすくなるのがマンガというものだ。
ただし、マンガにも一点だけ難点がある。
世に送り出すのに時間が掛かる。昨日紹介した書籍をマンガにするとなったなら、まずは天才、秀才、凡人の三人キャラクターが必要で、さらにこの人達を結びつけるキャラクターが必要となる。これらのキャラクターを作り出すだけで一苦労だ。
そして実際にマンガにするとなると、1ページ当たりに詰め込むことのできる情報量は限られる。その結果、原著の骨子を残してキャラクターを動かすこととなる。
ここでようやくシナリオが完成する。作画はそれからだ。
コミPo!を使っていても1ページあたりの作成時間は400字詰め原稿用紙2枚から3枚を書き上げる時間では終わらない。普通なら400字詰め原稿用紙5枚、長ければ10枚を書く時間を要するのに、マンガ1ページあたりの情報量の限界は400字詰め原稿用紙1枚が限度だ。それ以上詰め込むとページあたりの文字数が多くなり、単にイラストの多いだけの文章になってしまう。かくいう私も、ドラッカー講座のページの中に情報を詰め込みすぎになっているページが多くなっていることを自覚する。
本書はそうした困難を乗り越え、読みやすい作品に仕上がっている。
驚愕である。
ドラッカーの著作の解説マンガは私の作品が至高であるが、天才を殺す凡人の解説マンガは本書が最高傑作である。少なくとも、山城京一に語らせることは断念せざるを得ない。