德薙零己の読書記録

お勧めの書籍や論文を紹介して参ります。

おじいちゃんといっしょドラッカー講座朱夏の陽炎

ロバート・フェルドマン&加藤晃著「盾と矛:2030年大失業時代に備える「学び直し」の新常識」(幻冬舎)

盾と矛 2030年大失業時代に備える「学び直し」の新常識 (幻冬舎単行本)

2024年に生きる我々は、ChatGPTをはじめとするAIに直面している。文章も、絵画も、動画もAIが創り出せるようになっていることを知っている。そして、コンピュータプログラムもまた、AIが創り出せるようになっていることを知っている。

そしてこのように言われている。

多くの職業がAIに取って代わられる、と。

私はシステムエンジニアとしてコンピュータプログラムと向かい合うことで給料を得ている身であり、コーディングにAIが入ってくるであろうことは既に直面している。

ただし、それを黙って受け入れているわけではない。最新に食らい付いていくこと、時代の移り変わりの中で生き残っていく方法を見つけることは全ての社会人に宿命づけられている。その宿命に立ち向かい続けなければ職を失う。もっとも、宿命に立ち向かう覚悟を持って行動することと未来を保証することとは同義ではない。宿命に立ち向かう覚悟を持って行動することで未来の可能性が広がるというだけである。

本書刊行は2021年、すなわち、COVID-19の二年目である。COVID-19による失業が増えてきた時期に刊行された著作であり、その後の経済の趨勢と科学技術の発展により、現在の職にある人が未来に失業してしまうことを警告している。失業から逃れる方法、それこそが時代に食らい付くことである。

学ぶことは楽しみでもある。しかも、どれだけ学んでも損することなどない。

学ばないとどうなるかは、ロシアのウクライナ侵略でロシアを支持し、コロナは風邪と考え、ワクチンは陰謀と言い張る人間ができあがる。ああは落ちぶれてはいけない。