あさきゆめみし完全版第4巻は
- 第十四帖 澪標(みおつくし)
- 第十五帖 蓬生(よもぎう)
- 第十六帖 関屋(せきや)
- 第十七帖 絵合(えあわせ)
- 第十八帖 松風(まつかぜ)
- 第十九帖 薄雲(うすぐも)
が範囲である。なお、第十九帖 薄雲(うすぐも)は途中までであり、後半部は第5巻での叙述となっている。
光源氏はプレイボーイで、次から次へと女性を取り替えている。ここまではその通りなのであるが、基本的に光源氏は関係を持った女性との関係が薄くなることはあっても、光源氏の側から関係を完全に絶つことはほとんどない。
ただ、光源氏は自信の運命もあって京都に戻ってから出世街道を歩むようになっていく。すなわち、それまで関係を持った女性たちとの距離が広がってしまう。そのため、女性のほうから距離を置くことが増えてしまう。決して希望を捨てることはないが、その希望は少なくなってしまい、絶望へと変化してしまう。
だからこそ、光源氏がその女性を忘れないでいたこと、手を差し伸べることを知ると、それまでの苦悩は歓喜へと変わり、希望は蘇って絶望は消え失せる。
それにしても本作はマンガであることをこれ以上なく如実に示してくれる作品である。源氏物語をどれだけ読もうと、どれほど素晴らしい現代語訳であろうと、さらには源氏物語絵巻に目を通したとしても、本作のこのページの描写を上回ることはできない。
ただただ圧倒させられる。