刊行年こそ令和2(2020)年だが、内容は前年までにまとめられた、地理に視点を置いた経済分析の著書であり、タイトルの通り経済地理学の入門書である。
そして、気づきたくなかった現実を突きつけられる。
現在を述べる全ての社会科学書は後世において同時代史料となる。
この一冊は、COVID-19前の社会を描いた歴史資料でもあるということを。
人類は徐々にCOVID-19前の暮らしを取り戻してきている。それこそ、本書に記された世界への回帰を目指しているかのように。
本書は経済現象を空間的側面や地域性から明らかにする経済地理学についての入門書であり、グローバル化、高度情報化、持続可能な地域発展など、現代の世界各地で立ち上がる問題の解決に寄与する理論と実践例が盛り込んでいる。また、前述のように2020年時点の最新の研究テーマも取り上げられており、初学者に向けてできるだけやさしく解説されている。
具体的にどのようなテーマが取り上げられているのかは、本書の目次を下記に添付したので参照いただきたい。