先に記しておく。
本書の内容は全く法に触れていない。法に触れるとすれば法のほうが改正されて、これまでの法律では認められていたことが今後は認められなくなるというケースであるが、日本国憲法の法の不遡及の原則に従い、少なくとも今のところは許されている範囲での税負担の回避術である。
実はこの国の税務署というものは、納める金額が少ないと容赦なく取り立てに来るが、多い場合は何も言ってこない。そのため、税負担の回避となると多く払った税金を取り戻す手段を探すこととなる。
本書にあるのは、完全に合法な範囲内で、多く払った税金を取り戻すための手段である。私の実体験で言うと、マイナンバーカードを利用すると確定申告はそんなに手間ではない。手間だとしても戻ってくる金額を考えると時給換算で時給1万円を軽く超えるのだから、手間さえ我慢すれば手間に見合うだけの、さらにはそれ以上の結果が帰ってくるし、負担も軽くなる。
給与所得者は給与明細に記されている控除額、たとえば所得税や住民税の金額の多さに嘆くのが通例であるが、その金額は減らすことができる。すなわち、手取りが増える。
面倒くさいと感じるかもしれないが、その面倒の先には手取りの増額が待っている。
