德薙零己の読書記録

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菅野誠二著「外資系コンサルのプレゼンテーション術:課題解決のための考え方&伝え方」

本書は経営コンサルタントである菅野誠二氏が著した、プレゼンテーションをする際に活用する知見と技能を解説することに主眼を置いたビジネス書である。

と簡単に記したが、そもそもプレゼンテーションとは何か?

自分の訴えたいことを簡潔に、わかりやすく、そして相手を動かすことを主目的に相手に伝える重要なコミュニケーションツールである。本書はビジネス書として刊行された一冊であるが、必ずしもビジネス以外には適用できないという話ではなく、人生の数多くの局面で有用となる話である。

その上で、どのようにすれば相手に伝わり、説得力があり、行動を促すことができるのかをまとめているのが本書である。

本書は、経営コンサルタントとして多くのプレゼンテーションを経験した著者がそのノウハウを公開した一冊である。プレゼンテーションの目的や種類に応じて、効果的なストーリーの作り方や資料の作成スキル、実演時のテクニックなどを具体的に解説しているのが本書の大きな特徴だ。

さらに、単にプレゼンテーションの方法を教えるだけでなく、プレゼンテーションの前段階である課題の捉え方や論理の組み立て方も詳しく説明している点もありがたい。プレゼンテーションは「考える」と「伝える」の二つのスキルが必要だというのが著者の主張であり、それらのスキルを磨くためには、「Why-What-How」という構造を理解して、自分の提案がクライアントの理念や戦略目標に沿っていることを示すことが重要だと述べています。

本書は、意思決定に関わる人々に対してプレゼンテーションを行う方々に勧める一冊である。経営戦略の提案、売上向上施策、広告戦略、販促戦略など、様々なシーンで役立つヒントが満載であり、プレゼンテーションを通じてクライアントの心を動かし、行動を変えるためには、本書で学べる知識と技能はとても有用となるはずである。