本書は、圧政を繰り広げる支配者に対して諍うことを主眼とする書籍であり、以下が本書の目次である。
- 忖度による服従はするな
- 組織や制度を守れ
- 一党独裁国家に気をつけよ
- シンボルに責任を持て
- 職業倫理を忘れるな
- 準軍事組織には警戒せよ
- 武器を携行するに際しては思慮深くあれ
- 自分の意志を貫け
- 自分の言葉を大切にしよう
- 真実があるのを信ぜよ
- 自分で調べよ
- アイコンタクトとちょっとした会話を怠るな
- 「リアル」な世界で政治を実践しよう
- きちんとした私生活を持とう
- 大義名分には寄付せよ
- 他の国の仲間から学べ
- 危険な言葉には耳をそばだてよ
- 想定外のことが起きても平静さを保て
- 愛国者(ペイトリオット)たれ
- 勇気をふりしぼれ
これらの20の項目毎に、歴史を踏まえた上で暴政を防ぐための心得が書かれている。そして、多くの人はこう考える。「だからこそ、敵を攻撃する自分は正しい」と。たとえば、自分を言い負かした相手、科学や正しい歴史で自分の主張を完全否定した相手を「ネトウヨ」とレッテル貼りし、攻撃する光景はよく見られる光景である。
ところがこれは逆なのだ。自分を正義と考え、自分の正しさを疑わない人こそ、容易に暴政へと堕する。取り返しの付かない事態に陥ったときにはもう遅い。いったい何が問題だったのかと顧みる人はまだいい。ほとんどは顧みることもなく、暴政であったとすら認識しない。少なくとも、現代の日本国では自分のことを「リベラル」と考えている人は、権力を手にした瞬間に容易に圧政を生みだし、容易に暴政へと堕落する。
本書は、自分がこうなってしまっていないかを顧みるための書籍である。このように落ちぶれないように自省するための書籍である。
「騙された」は通用しないのだ。