そもそも「やる気」とは何か?
やりたくない物を無理矢理やらされたところで、意欲など全く沸かない。それでもやらなければならない、やらなかったら取り返しの付かないことになる、そのような状況では必要最小限でどうにかしようとする。これを著者はモチベーション1.0としている。
ならば、モチベーション2.0もあるはずである。著者はこの点について、アメとムチ、いわゆる信賞必罰に基づく動機付けをモチベーション2.0としている。その上で、21世紀には機能不全に陥ったというのが著者の主張である。
本書の主題であるモチベーション3.0。これこそが自分の内面から湧き出る「やる気」である。
とまあ、書くのは簡単であるが、実際には難しい。内側から湧き出るやる気をいかにして浮かび上がらせるか? 著者は本書において、科学の知識とビジネスの現場の間に横たわるギャップを埋め、組織を強化し、人生を高めようとしている。たとえばスローガンを掲げたり、みなでスローガンを叫んだりしたところで、やりたくないことを無理矢理やらせると上手くいかない。そんなものでやる気など起きない。実は給与を上げるのもやる気という意味では得策ではない。他より安い給与であると知ったり、前より給与が下がったりしたらやる気は間違いなく下がるが、上げることとやる気の向上とは合致しない。
では、どうすれば内面からやる気を沸き立たせることができるのか?
その答えは本書にある。