今更ピケティについてであるが、これは当時の雰囲気を体験してもらうためにも、当時のTwitterの書き込みを転載する。
トマ・ピケティ「21世紀の資本」読了。
— 德薙零己 (@rtokunagi) 2014年12月28日
感想としては、
・重商主義政策以後の先進国の富の寡占についての考察は素晴らしい。
・寡占からの脱却についてのアイデアは同意できない。
・18世紀から現在に至るまでの経済史を学ぶ者の史料としては最高。
・盲信の対象でも批判の対象でもない。
「21世紀の資本」を読み終えたあとに感じるのは、残酷な現実。
— 德薙零己 (@rtokunagi) 2014年12月28日
平和を望まない人はいない。
豊かさを望まない人もいない。
しかし、平和で豊かな暮らしを築き上げたがゆえに、格差は生まれ、格差は固定化される。
ピケティ自身が何度も示している統計資料が戦争の格差リセット機能を示している。
平和は豊かさを生み、豊かさは今の豊かさが続くことを願うと同時に、豊かさが失われることを拒絶する。そして、新たに豊かになろうとする者の前に壁を築く。
— 德薙零己 (@rtokunagi) 2014年12月28日
戦争という最悪の格差リセット以外の方法を望むなら、たぶん、「21世紀の資本」のあとに「年収は住むところで決まる」を読むのがベストか。
有明で薄い本が大量に売られている頃、こちらは「21世紀の資本」というやたら分厚い本を二日がかりで読んでた。サッカー場のハーフタイムのトイレ待ち行列に並んでる間も読んでた。西が丘で「何だ? あの分厚い本読んでる小太りのオッサンは?」と思ったかた。そのオッサンが私です。
— 德薙零己 (@rtokunagi) 2014年12月28日
本屋に行ったら、「21世紀の資本」の解説本は売っていたけど、肝心の「21世紀の資本」そのものが売っていなかった。多くの人が「この年末年始に読もう」と思って買っていったのではないかと予測。
— 德薙零己 (@rtokunagi) 2014年12月30日
ドラクエの攻略本は売ってるのにドラクエのカセットが売り切れてた現象に酷似。
最近、「ピケティを読んだ?」がちょっとしたブームになってる。より正確に言えば「『21世紀の資本』を読んだ俺は凄いんだぞ。まだ読んでないお前ら、さあ、ピケティを読んだ俺を褒め称えろ」と言いたがる人が増えてる。
— 德薙零己 (@rtokunagi) 2015年1月7日
もう読んだと言うととても残念がる。
俺も残念がる一人だ。
「トマ・ピケティの新・資本論」読了。「21世紀の資本」が成立するまでのピケティ氏の主張の流れが読み取れる。とはいえ、基本はフランス政治に対する評論であり、サルコジ政権からオランド政権へと至る過程をフランス社会党寄りの視点の評者で眺めた一冊という前提を踏まえなければならない。
— 德薙零己 (@rtokunagi) 2015年2月14日
フランス社会党寄りのピケティ氏は、サルコジ政権、あるいはアメリカ共和党政権に対してかなり厳しい視線を向け、格差の誕生、財政赤字、不労所得層の増大についての対策を打たないことについて批判を記している。しかし、社会党のオランド政権に対しても、時期とともに手厳しくなっていく。
— 德薙零己 (@rtokunagi) 2015年2月14日
本そのもので言うと、「トマ・ピケティの新・資本論」は「21世紀の資本」より読みやすい。リベラシオン誌にピケティ氏が連載したコラムを集めた本なので、一つ一つのテーマあたりの文章量が短く気軽に読める。その代わり、少なくとも今世紀の歴史(たかだか15年ほど)を前提知識として要する。
— 德薙零己 (@rtokunagi) 2015年2月14日
「21世紀の資本」のざっくりしたまとめ記事だけ読んで「ピケティ読めよ」と布教しはじめるの多分出るだろうなと思ってたら本当に出た。
— 德薙零己 (@rtokunagi) 2015年2月17日
たぶん、4月になるともっと増える。何か勘違いしてる新入生や新入社員が布教者になるから。
恐ろしいことを耳にした。「そういや、さいきんピケティがどうのって騒ぐ人いなくなったな」という言葉。たしかに書店で21世紀の資本を推しまくる風潮も消えてきたが、ブームはもう終わったのだろうか。まあ、ブームの最中に本を買って読んで、ピケティがどうのこうのって騒げたからいいや。
— 德薙零己 (@rtokunagi) 2015年4月19日