いささめに読書記録をひとしずく

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岸田緑渓・早坂信・奥村直史著「英語の謎:歴史でわかるコトバの疑問」(角川ソフィア文庫)

英語の謎 歴史でわかるコトバの疑問 (角川ソフィア文庫)

"Do you have a pen?"

これを各国語に訳してみるとどうなるか?

ドイツ語 Haben Sie einen Stift?
フランス語 Avez-vous un stylo ?
イタリア語 Avete una penna?
スペイン語 ¿Tienes un bolígrafo?
ポルトガル語 Tem uma caneta?

ほとんどの言語は、動詞→名詞で疑問文になる。しかし、英語は主語→動詞のまま、主語の前にdoが来る。なぜ?

さらに、上記に出てきた単語、have 。スペルの通りに読めば「ハヴェ」である。他にも、come や love の発音はスペルと一致していない。なぜ?

have の1文字目、h 。カナで表すと「エイチ」もしくは「エッチ」。日本語で言うとハ行を表す文字のはずなのに、文字の名前のどこにも h の音がない。なぜ?

音が無いと言えば、often や listen の t 。発音しない文字がスペルにある。なぜ?

音があるが、どっちかわからない文字もある。g をカナで表すと「ジー」。たとえば ginger をカナで表すと「ジンジャー」。でも、give や girl のように日本語のガ行の音を表すのにも使われる。なぜ?

one は first 、two は second、three は third 。four 以降は fourth のように数字の後ろに th をつけるのが一般的なのに、1から3は一般的な形ではない。なぜ?

さらに、one をカナで表すと「ワン」になるが、スペルのどこにもワ行を表す文字が無い。なぜ?

こうした謎を求めると、答えは英語の、そしてイギリスをはじめとする英語圏諸国の歴史に行き着く。歴史を追いかけることで現在の英語の理由が見えてくる。