あさきゆめみし完全版第10巻は
- 第四十八帖 早蕨(さわらび)
- 第四十九帖 宿木(やどりぎ)
- 第五十帖 東屋(あずまや)
- 第五十一帖 浮舟(うきふね)
- 第五十二帖 蜻蛉(かげろう)
- 第五十三帖 手習(てならい)
- 第五十四帖 夢浮橋(ゆめのうきはし)
が範囲である。
光源氏に愛され、光源氏を愛した女性達は、必ずしも最高な幸せとは言えないにせよ、光源氏の庇護を受けることができた。
しかし、匂宮も、薫も、光源氏ではない。彼らに愛された女性は恋愛の狭間に苦しみ、源氏物語最後のヒロインである浮舟は衝撃的な選択をする。その選択は、最後の形こそ光源氏を取り巻くヒロイン達の選択のうちの一つと重なるが、選択に至る過程はあまりにも違う衝撃的なものである。あるいは、それだけの覚悟を伴ったものであったというべきか。
源氏物語の最後は彼女の最後の選択を以て終わるが、その前には彼女を愛した男達の苦悩が存在する。光源氏が味わうことのなかった苦悩である。
どのような苦悩であるか、そして、浮舟の選択はどういったものであったのか。源氏物語のストーリーを知らない人だけでなく、知っている人であっても本巻におけるその場面の描写は衝撃である。
本作はマンガによる源氏物語の現代語訳である。
マンガである。その一点が、本作をして最高の現代語訳たらしめる要素である。
マンガである。その一点が、本作をして最高の入門書たらしめる要素である。
大河ドラマ「光る君へ」で源氏物語に興味を持った方のうち、源氏物語はどういう話なのかわからないので現代語訳を読みたいという方は、ぜひとも、本作「あさきゆめみし」で源氏物語に触れていただきたい。
マンガだからこそ深く知ることのできる源氏物語の現代語訳がここにある。