書評を記すより、この本に載っていたエピソードを列挙してみるほうが本書の何よりの説明になるであろう。
[第1章]
- スポーツ選手として成功するのに、幼少期の苦労はむしろマイナス。
- スポーツ選手として成功するのは、キラキラネームより普通の名前。
[第2章]
- 男性のポルノサイトの検索傾向は歳上女性との関係を扱った作品であることが多い。検索している男性の実年齢よりはるかに歳下の女性が主人公であっても、歳上女性。
[第3章]
- 台風接近がニュースになると、冷蔵庫で保存しなくて済む食料の売れ行きが伸びる。
- 悲惨な内容のニュースより、明るく笑えるニュースのほうがバズる。
- 新聞記事の傾向は新聞社の社長より読者の傾向のほうが強く反映される。
[第4章]
- 統計上、景気が悪くなると児童虐待件数が減るように見えるが、実際には、失業によって自分の子を虐待する保護者が家にいる割合が増え、救いを求める子供がネットに接する機会が減らされ、結果として児童虐待の通報件数が減るだけ。
[第5章]
- 特定のプロスポーツクラブのファンになるきっかけは、8歳をピークとして5歳から15歳までの期間であることが多い。
- 支持政党や政治信条を形作るのは14歳から24歳にかけての期間。
- 暴力や犯罪を扱う映画が流行すると、実際の犯罪が減る。
[第6章]
- 刑務所での処遇を厳しくすればするほど再犯率は増える。
- 学校を卒業して社会に出てからの年収を決めるのは、出身高校や出身大学より、自身の学力。
[第8章]
- 「約束します」「お返しします」「ありがとうございます」という言葉を使うのは借金をちゃんと返す人はではない。ちゃんと返す人は「低利率」「税引き後」「最低支払額」といった返済の具体的な方法を提示する。