そしてこの本である。
ピケティブームから5年後、この本が出た。アンサーソングならぬ、アンサー論文というところか。この本を読んではじめて、ピケティの21世紀の資本に対する考えがまとまると言えよう。
その本を読んだときの思いを当時のTwitterから
ヘザー・ブーシェイ,J・ブラッドフォード・デロング,マーシャル・スタインバウム共編「ピケティ以後:経済学と不平等のためのアジェンダ」(青土社,2019)を読み終えて。https://t.co/2qgOiZtZli
— 德薙零己 (@rtokunagi) 2019年2月16日
特に考えさせられるのが
— 德薙零己 (@rtokunagi) 2019年2月16日
第6章 奴隷資本の偏在性(ダイアナ・ラメイ・ベリー著)
第9章 所得格差、賃金決定、破断職場(デヴィッド・ワイル著)
第15章 世襲資本主義のフェミニスト的解釈(ヘザー・ブーシェイ著)
その全てに共通しているのが、差別を利用した低賃金労働。
人種差別、性差別、あるいは雇用形態の違いといった差別を、差別に対する倫理を完全に欠落させた上で就業という点だけで捉えると、安価な給与の雇用に行き着く。
— 德薙零己 (@rtokunagi) 2019年2月16日
雇う側にとっては出費を減らすことができ、雇われている側にとっては既得権になる。
奴隷制が当たり前であった頃、女性差別が当たり前であった頃、そして、非正規雇用が当たり前である現在、自分の今の暮らしが誰かを差別して低賃金で雇用する上で成り立っていることを自覚する人は少なかった、あるいは、現在進行形で、少ない。
— 德薙零己 (@rtokunagi) 2019年2月16日
かくいう自分も、自覚しているとは断言できない。