最近、アッパーマス層を目指すためのノウハウをあれこれ訴えるコンテンツが増えてきている。
アッパーマス層とは野村総研が発表した純個人金融資産についての概念の一つであり、金融資産から住宅ローン残高などの負債を聞いた金額が3000万円以上5000万円未満の層をさす。
この層を定義づけたこと、また、純個人金融資産が5000万円以上1億円未満を準富裕層と定義づけたことで、わかりやすい構図ができあがってしまった。資産ピラミッドの比率を、団塊ジュニア世代のピークである1985年の小学校の卒業アルバムで考え、AIで作った画像で加工すると
クラス40名のうち
1人:富裕層(1億円以上5億円未満)
2人:準富裕層(5000万円以上1億円未満)
5人:アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満)
32人:マス層(3000万円未満)
となるのだ。ちなみに、5億円以上の純個人金融資産である超富裕層の比率は学年に1人どころか学校全体で1人となり、フィクションの世界に登場する金持ちキャラクターの有り様とだいたい一致する。
かつては同じ教室にいた人間が、40年の歳月を経て恵まれた暮らしをするようになっている。これはわかりやすい格差だ。しかも、ここで直視させられる格差というのは、各個人のこれまでの人生の積み重ねの結果なのだ。
では、具体的にはどういう積み重ねなのか?
金持ちの家に生まれたというのは格差レースのポールポジションであるが、それだけで格差社会の勝者になれるほど社会は甘くない。稼ぎ方が違うだけでなく、金の使い方も違うのだ。本書にもあるが、クレジットカードの無駄遣いやセールの罠、そして貯金の失敗といった日常の光景が、資産の多さ鳥栖君差を生み出すきっかけになってしまうのだ。
行動経済学というフレーズはいまもなおビジネスシーンを強く席巻しているが、それは人とカネとの使い方の違いと資産の構築と密着しているからである。本質的な問題があり、差異があり、その結果として現在の格差がある。
アッパーマスを目指すとき、最初に考えるべきはこれまでの自らの人生とカネとの関係である。
まあ、お前はこんなことを言う資格があるのかと思われるであろうし、それを言われたなら何も反論できないのも悲しい現実であるが……



