このタイトルで上梓されたのは、宮坂氏の、そして講談社の慧眼とするしかない。タイトル的に反ワクチンの人でも手に取ってしまうだろうから、本書によって反ワクチンが減ってワクチン摂取者は増えることも期待できる。
無論、本書の内容は反ワクチンの人が期待するような内容ではない。すなわち、ワクチンについての正しい情報がわかりやすくまとめられ、反ワクチンの主張が科学の前に完全に否定されている。
しかし、本書がマスメディアによって広く取り上げられることはなかった。本来ならもっと話題になっていてもおかしくない書籍であったのに、本書は今となっては、COVID-19のワクチンが話題になっていた頃に刊行された数多の書籍のうちの一冊となってしまっている。
そのあたりの理由はこちらにあるだろう。
マスメディアがこれまでいかに間違っていたかを、マスメディアのリテラシーの低さを嘆きながら書き記しているのだから、本書がマスメディアで大きく取り上げられることはなく、取り上げられたとしても、意図的にこれらのページは外されていた。