本書は現役の看護師である著者が、COVID-19の渦中で看護師をつとめたときの経験を書き記した一冊である。単純に記すとこうなる。
しかし、本書に描かれているのは人間の醜さ、汚らしさ、みっともなさのリアルである。
医療従事者であるというだけで、差別者は容赦なく差別する、

差別者は、医療従事者当事者だけでなく家族も差別する。

差別者は、配偶者が医療従事者である人を差別する。

そして差別者全員が、自分のやっていることを差別だと“全く”認識していないし、それが差別であるという事実を突きつけても、差別者が差別を止めることは“絶対に”ない。さらに言えば、差別者は自分が差別者であることそのものも認めない。
一方、医療従事者はどれだけ差別を受けてもただただ自らに課せられた使命をこなすことに専念する。差別などを相手にしている暇はない。医療従事者のもとには患者の命が託されているのである。
あまりにも醜い差別者を様相を、このマンガは容赦なく描き出す。
そしてこのように考える。
私はCOVID-19において、あるいはこれまでの感染症等において、このマンガに描かれた差別者と同じことをしてこなかった、と。
残念ながら、ここで「してこなかった」と断言できる自信は無い。自覚はなくてもゼロであったとは言い切れない。



