人類が地球に誕生する前から冥王星は太陽の周りを回る天体であり続けていたし、今も冥王星は太陽の周りを回り続けている。その天体を惑星と扱うか準惑星と扱うかは太陽系第三惑星の決めごとでしかなく、冥王星にとってはどうでもいいことである。
本書は、そもそも冥王星は惑星なのか否か、惑星であるとすれば何を以て惑星とするのかの会議の様子、そして、その会議の場において冥王星は惑星ではないと結論づけた人物が記した、当事者の記録である。
人類はどのように惑星を見つけてきたのかを考えると、その延長線上で冥王星が見つかる。海王星よりもさらに遠いところに惑星があるだろうという想像があり、その想像に見合った天体が見つかったのだから冥王星も惑星に加えることは問題ないように思える。
ただ、冥王星を惑星とするのであれば、冥王星ではない天体の中に惑星としてカウントしなければならない天体が登場する。それも大量に。それらの全てを惑星としてもいいのか? ダメとするなら、惑星と惑星ではない天体との区分をどこに設けるのか。
冥王星以外の天体も惑星に加えるのか? そうなると太陽系の惑星の数は200を越える。今後の天体観測技術の発達次第ではもっと増える。
冥王星を惑星から外す。これならば天体の大きさという明白な条件が設けられ、スッキリした形となる。
惑星をどのように定義すべきなのか?
この決断は天文学者達に委ねられることとなった。
本書はその決断に至るまでの経緯、そして、決断の様子が記されている。
天文学者の書き記した臨場感あふれるドキュメンタリーがここにはある。



