本書について記すに当たり、前もって記しておきたいことがある。
- 変化を嫌う人
- 現状維持のままでいいと考える人
- 自分は革新的だと考えていながら、実際にやっていることは誰かの批判だけであるという人
そうした人は本書を読まない方がいい。
なぜか?
本書は、新しいことへのチャレンジを促し、現状を変革し、成功を掴み取ろうとする人に向けられて書かれた書籍だからである。特に、読まない方が良いと記した三条件のうちの、自分を革新的だと考えている守旧者にとっては、自らのアイデンティティが全否定されることとなるのでお勧めしないこととなる。
そもそも本書は、ユーチューブやテスラ・モーターズといった成功企業を次々に立ち上げるシリコンバレーの起業家集団「ペイパル・マフィア」の中心人物であり、伝説の起業家・投資家とも言われるピーター・ティールが、母校スタンフォード大学で行った起業講義をまとめたものである。
本書刊行時、日本は「失われた20年」を迎えていた。
それから10年、日本は「失われた30年」へと落ちぶれてしまった。日本にはフェイスブックもグーグルも生まれなかったし、テスラもエヌヴィディアも生まれなかった。生みだした企業は莫大な利益を獲得する一方、他者の追随では目を見張る利益を生むことはできないでいる。
ただ、それは生まれなかった過去があるというだけだ。
生まれる可能性はある。今から10年後に「蘇った10年」と振り返ることのできる未来がある可能性も存在する。
そのために何が必要なのか。本書にはその答えが書いてある。