德薙零己の読書記録

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角川総一著「為替が動くと、世の中どうなる?」(すばる舎)

そもそも為替とは何か、為替はどのように動くのか、為替の動きが経済や社会にどのような影響を及ぼすのかを、平易な解説と図解で説明した一冊であり、銀行勤めでもある私が新入社員に対して読んでおくべき本を挙げろと言われたら候補の一冊として挙げる一冊である。

本書で取り上げる内容は以下の通りである。

・「為替」とは何か?
「為替」とは外国通貨と自国通貨の交換比率のことであり、その比率が変動することを「為替相場」と呼ぶ。また、「円高・円安」は日本円と米ドルの為替相場における日本円の価値の変化を表す。

・いろいろな経済現象と為替の関係は?
為替相場は景気や物価や株価などの経済指標に影響される一方、逆に、為替相場の変動が経済に影響を与える。例えば、円高になると輸出企業の収益が減り、景気が悪化する可能性が高まる。

・「為替」が動けば何がどうなる?
為替相場が動くと、金利や株価や原油価格なども動く。また、為替相場機関投資家や政府・中央銀行などの大きなプレイヤーによって大きく動かされることもある。為替相場の変動は経済構造まで変えてしまうこともある。

・為替データの種類と読み方
為替データには、現在の為替相場や過去の推移や予想など様々な種類がある。また、基軸通貨やクロス・レートなど為替相場を表す方法もある。

本書はビジネスパーソンや学生、投資としての為替をする人、海外旅行に知識を役立てたい人などにおすすめの一冊であり、毎日のニュースで飛び交う円高や円安という言葉、また為替相場などの言葉について、本書を読むことでその意味や背景が深く理解できるようになるであろう。